日本ホメオパシー協会

For every homeopath.
For every patient.

すべてのホメオパス、そしてホメオパシーを
必要としているすべての方々のために

ICHとは

The International Council for Homeopathy (ICH)への加盟の経緯と今後の展望

The International Council for Homeopathy (ICH)は、一口に言えば「ホメオパシーの国連」です。世界28カ国から30の協会が加盟をしており、世界各国の様々なホメオパシーの協会をまとめる唯一の国際機関です。世界中のホメオパシーが、最高水準でクライアントの健康を回復および改善できることを目的としています。

ICHとECCH

国の枠を超えたホメオパシーの国際組織を作る試みは、ヨーロッパの国際連合体であるECCH(European Council for Classical Homeopathy)から始まりました。その大きな成果であるECCH教育カリキュラムは、多様な叡智を結集した国際基準として極めて高い評価を受け続けています。

ECCH結成と、教育カリキュラムの成果が顕著であったので、ヨーロッパのみに留まらない全世界の連合体を作る動きが加速化し、ECCHの上部組織としてICHが発足しました。またICH成立過程の議論の結果として、ECCHもClassical Homeopathyだけに限定するのを止め、ECCHという略称のままEuropean Central Council of Homeopathsと改称し、より包括的にホメオパシーを捉える組織になりました。

ICHの活動

ICHの会議は、遠隔地をつなぐインターネット上のZoom Meetingが年に3~4回、そして一堂が会するFace to Face Meetingが隔年で行われます。直近では、2019年6月にハーネマンがオルガノン第一版を書いたドイツのTorgauで行われました。前夜祭では、ハーネマンのBelladonnaのクライアントを有名俳優が演じ、そこに世界的なバイオリニストが即興的に伴奏する感動的な劇で大いに盛り上がりました。

翌日からの会議は非常に友好的な雰囲気の中で白熱した議論が展開し、ICHがWHOと一層連携してより広範な活動をしていくこと、ホメオパシー基本教育のみならず、CPD(生涯教育)の一層の充実を図ること、解剖生理病理学の履修時間を大幅に増やすこと、そしてICHのWeb内部の内容を全面的に見直し、重要な用語を徹底的に吟味して再定義するなど、さまざまな方面からホメオパシー全体を大きく底上げすることを決議しました。

そしてまた2017年に亡くなった「ICH、ECCHの父」とも言うべきStephen Gordon氏の遺志を受け継ぎ、「ホメオパシーの国連」に相応しい存在になっていくことを全員で誓い合ったのでした。

ICH加盟の経緯

ECCH、そしてICHの設立当初からの中心人物はStephen Gordon氏で、2017年夏に惜しくも亡くなられましたが、2002年に初めてお会いしました。非常に懇意にしていたSchool of Homeopathyのミッシャ・ノーランド先生に、世界のホメオパシーと公式に繋がりたいと話すと、すぐにご紹介下さり、私はオブザーバーとして何度かICHの会合にも出席をしました。しかしICHは各国の協会を束ねるものであり、当時はまだ日本に協会を設立する準備ができておりませんでしたので、そこからすぐの進展はありませんでした。

その後、2011年に日本ホメオパシー協会が発足し活動を始めるなかで、永松幸和が2014年にStephen氏とお会いし、すぐに意気投合。できるだけ早く仲間になりましょう、ということになりましたが、Code of Ethics(倫理規範)を初めとして膨大な書類の作成と翻訳が必要で、協会内部のチームで倫理規範作成に関する本格的な申請準備が始まりました。

1年後、Stephen氏と共にRadar創立者のDale Emerson氏、永松幸和と私の4人で、ブリュッセルのホテルで約半日、大変刺激的な会談を持ちました。

「今日の会議は本当に素晴らしい。ホメオパシーの輝かしい未来を作る歴史的な会談だよ!」とStephen氏が語ってくれたほど中身の濃い話でした。ホメオパシーに関するさまざまな課題や展望について、さまざまな角度から生き生きと思う存分語り合いあったことは、Stephen氏が亡くなった今、本当に素敵な思い出です。その会談の中でも、とにかく日本ホメオパシー協会もできるだけ早くICHの仲間入りし、共に様々な活動をしていこうということになり、帰国後すぐに加盟申請に必要な書類やその翻訳を大車輪で準備。翌月のICHの理事会に何とか間に合わせて提出。

通常であれば申請から1年間はApplicant(申請中)の扱いになり、会議にはObserverとして傍聴する権利が与えられ、その間に問題がなければ入会が認められるのが通例です。それがなんと申請から10日後にはいきなり正式な加盟の知らせを受けました。1年間の留保期間を待たずにすぐに正式入会となったのです。この記録的なスピード加盟は、ブリュッセルでの会談の結果もあったと思いますが、背景としてミッシャ ノーランド先生やデイヴィッド マンディー先生など多くの先生方との長く深い親交による信頼性も手伝ってのことだと深く感謝をしています。

以上が、加盟にあたっての経緯です。

(執筆:永松昌泰)